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Vol.1 ―ドコモ・システムズと“富士山”―
CSRレポートVol.1 ―ドコモ・システムズと“富士山”―
特集:美しい富士山を次代の子どもたちに
環境NPO「富士山クラブ」におけるドコモ・システムズの主な活動内容
第13回エコツアーに関するご報告
特集:美しい富士山を次代の子どもたちに
―ドコモ・システムズ株式会社 相談役 中津川 丹
「きっかけは自由の女神。何かを始めなければいけないと実感しました」
ドコモ・システムズの社内から有志を募り、富士山の清掃活動を行うエコツアーを開始したのが2001年、その翌年からは富士山クラブの法人会員となり、技術や人員面での協力を行ってきました。
しかし、富士山クラブとの関わりは、以前、私がNTTPCコミュニケーションズの社長であった時にさかのぼります。きっかけは、群馬大学の下田博次教授から聞いた、アメリカの社会貢献に関する逸話でした。それは、大手カード会社が売上げの一部を自由の女神の修復にあて、大きな反響を呼んだというものです。
さらに日本の青森県弘前市でも、桜の木を守る同じような事例がでもあったことを知りました。これらの話にすっかり感銘を受けた私は、すぐに懇意にしていた新聞社の取締役に話しました。
その場で我々も何かをやろうと意気投合し、「どうせやるなら富士山をキレイにしようじゃないか」との一言に、それは名案とばかり、数ある富士山関連のNPOのなかで、趣旨と活動に最も共感を覚えた富士山クラブにふたりで駆け込むことになったのです。
NTTPCコミュニケーションズ時代には、自社サイトに富士山の情景をリアルタイムで楽しむことができるコーナーを作ったり、富士山クラブへの会員登録ができるページを作ったり、といった形で協力していました。
Profile : 相談役 中津川 丹
1966年
日本電信電話公社入社
1995年
INSエンジニアリング(株) (現ドコモ・システムズ) 常務取締役 営業本部長
1998年
(株)NTTPCコミュニケーションズ
代表取締役社長
2001年
ドコモ・システムズ(株)
代表取締役社長
2007年
ドコモ・システムズ(株)
相談役
現在に至る
「社会に貢献したい、何かを始めなければ。みんなの思いは同じでした」
そして、私がドコモ・システムズの社長に就任した2001年、今度はドコモ・システムズ全社を挙げて富士山クラブに協力していこう、と決意しました。
みなが社会に貢献したい、何かをやらなければならない、という気持ちでしたが、「どうして富士山なんだ? もっと大変な状況に陥っている場所がたくさんあるのではないか?」といった反対の声もたしかにあ りました。
私は、日本のシンボルである富士山を、未来の子どもたちに受け継いでいかなければならないこと、その富士山がトイレの汚さと裾野のゴミの多さから世界遺産の指定を受けることができなかったこと、世界の登山家からは「世界一汚い山」と呼ばれていること――などを言葉を尽くして訴えました。
結果的には、まず何かを始めることが大事、社長がそこまで言うなら富士山をやってみよう、と一致し、現在の活動へとつながってきたのです。
中津川氏が参加した第12回のエコツアー。
総勢137名で1,810Kgのごみを拾い集めました。
「家がまるごと捨てられていて、驚いたこともありました」
ドコモ・システムズでまず始めたことは、青木ヶ原をはじめ、富士山麓のゴミを拾うエコツアーの実施でした。しかし、この作業は本当に根気が必要とされるもので、拾っても拾ってもなかなかごみがなくならないのが現状です。エコツアーを実施する端から、心無い業者がトラックの荷台いっぱいのゴミを次々に捨てに来ます。
家電製品や乗用車から、紙オムツや注射針などの産業廃棄物、さらに驚いたことには住宅展示場のモデルハウスが、解体もされずにそのまま捨てられていることもありました。また、古いごみには土をかけて隠されているものもあって、地面に見えているごみを引っ張ると、その下から手を付けられないくらいの大量のごみが出てくるということもしょっちゅうです。
「心のこもったハイカーの一言に、すべてが報われる思いでしたね」
1回のツアーのたびに1t~2tと、大体同量のごみを回収していますが、それでも段々と古いごみにまで手を付けられるようになってきました。これは、ポイ捨てが減った、つまり、新しく捨てられたごみが少しずつでも減ってきた証拠だと言えるでしょう。
最初は様子見だった社員も時間がたつにつれ、2回、3回と常連として参加したり、家族連れで参加する社員などが増え、さらにNTTドコモ本体やドコモ・グループの各社からも参加者が集まってきている状況です。
これだけたくさんの人がエコツアーに参加する理由、それは「富士山が好き」という気持ちだと思います。ごみ拾いをやってみて分かったことですが、日本人は本当に富士山が好きなのです。そして、実際に富士山へ行ってみると、もっともっと好きになる。
ある年、いつものようにごみ拾いをしていると、ハイキングに来た人々に「何をやってるんですか?」と声をかけられたことがありました。「富士山の清掃活動をしているんですよ」と話すと、そのハイカーたちはなるほど、と再び歩き出します。すると、少し離れた場所で彼らが話している内容が聞こえる。
「あんな風に掃除をしてくれている人たちがいるんだったら、山にポイ捨てするなんてできないね」
面と向かって言われたのではないだけに、余計に心がこもっているように感じられて、あの時は本当に
「やってよかった」と実感しました。
「技術が与える影響までを考えて初めて、企業の責任が果たされる」
よりよいサービスや技術を提供し、より大きな利益を求めること、それが企業の目的です。しかし、私はそれを目指しているだけでは、企業はやるべきことの半分しかしていないと考えます。新たに開発した技術やサービス、これが、社会にどのような影響、インパクトを与えるかといった、文化をどう変えていくのかを、絶えず考える必要があるのです。
すばらしい技術を開発した――これは、企業活動の「光の面」ということができるでしょう。その光が強ければ強いほど、多くの注目が集まり、業績も伸びていく。しかし、光の強さは同時に、より濃い「影の面」を生み出します。それは、環境破壊だったり、悪用しようとする者の存在であったり・・・。光の裏に必ずある影の部分、それを予測し、克服する手段も同時に開発することまでやって初めて、企業は社会的責任を果たしたと言うことができる、と私は考えています。
情報・通信をはじめ、さまざまな技術が発展したことによって、環境を守るためのツールは、もう揃っていると考えています。それをどう組み合わせ、どう使っていくのか。運用までをしっかり考えることが、企業の社会的責任を果たすために必要なのです。
例えば、富士山クラブと共同で運営している「富士山環境ごみマップ」は、携帯電話を利用したシステムの開発・提供を社業としているドコモ・システムズが、その携帯電話を活用して社会に恩返しをしたい、という考えに基づいています。
最も大事なのは、どんな技術があるかではなく、それを使っていく人間の気持ちであると考えます。
昆虫採集が趣味だった少年時代、ちょっと遠出をして珍しいチョウやその卵を採りに行くのが、一番の楽しみでした。しかし、その近くに大きな道路ができた途端、それまでたくさんいたチョウが、1匹もいなくなってしまった。
レイチェル・カーソンは『沈黙の春』の冒頭で、「キレイな花は咲いているが、チョウは来ない。ハチの羽音も聴こえない」と書いています。彼女がその名著のなかで指摘した状況と原因こそ違えど、日本は今、彼女が想像したとおりの世界に近づいているように
感じています。
あの場所からチョウが一斉にいなくなってしまったように、このまま自然がなくなってしまったら、子どもたちが自然と触れ合うことができなくなってしまったら、世の中は一体どうなってしまうのか。
私が富士山クラブへの協力を通じて、美しい富士山を次代の子どもたちに残していきたい、と願うのは、そんな少年時代の思い出が、原体験として強く残っているからなのかもしれません。
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環境NPO「富士山クラブ」におけるドコモ・システムズの主な活動内容
富士山環境ごみマップシステム・・・2003年より運用開始
当社GISシステムによる技術支援
集まったデータは静岡、山梨県警の不法ごみ投棄取り締まりにも活用
富士山エコツアーの実施・・・2001年~現在
回収ごみ重量 累計 8.2t 参加人数累計 925名 ※
詳細は次頁
社内フォーラムの開催・・・2002年
富士山クラブ理事による講演
「富士山 水と緑の育成基金」募金箱社内に設置・・・2002年~
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第13回エコツアーに関するご報告
ドコモ・システムズは10月28日(土)、2001年から数えて13回目となるエコツアーを開催しました。
当日は、ドコモグループ全体に参加を呼びかけ、総勢103名が参加。重さにして1,320kgのごみを拾いました。
参加者は、エコスタッフの指揮のもと、3手に分かれて、川底や道路わき、林道の清掃を実施。川底では、道路から投げ捨てられたゴミや、大雨で流されてきたゴミを回収しました。
一方、道路わきには、走行中の車からポイ捨てされたものと見られるビン・缶や家庭ゴミ、果てはオムツなどを発見。また、林道には電化製品や古タイヤやとたんやプラスチックの波板など家屋の解体ゴミなどが放置されていました。
ドコモ・システムズ社員はこの日、新たに社から配布されたオリジナルのジャンパーとゼッケンを着用しました。参加者は、午前中はゴミ拾いに精を出し、午後は入浴と食事を楽しみました。
■
エコツアー実施実績(2001年度~現在)
年度
2001年度
2002年度
2003年度
2004年度
2005年度
2006年度
実施回数
1
1
2
3
3
3
新入社員
名
―
―
―
24
21
21
Kg
―
―
―
540
400
280
一般・夏
名
47
40
67
109
124
137
Kg
―
180
280
520
680
1,810
一般・秋
名
―
―
80
134
18
103
Kg
―
―
1,240
380
570
1,320
年度計
名
47
40
147
267
163
261
Kg
―
180
1520
1440
1650
3410
累計
名
47
87
234
501
664
925
Kg
―
180
1700
3140
4790
8200
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CSRレポート一覧
Vol.1 ―ドコモ・システムズと“富士山”―
Vol.2 ―「富士山環境ごみマップ」開発の経緯―
Vol.3 ―登下校情報サービスで保護者の心配を一掃―
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